2014年2月23日日曜日

ホスト金属中でのクーロン障壁について

先日の研究会「放射線検出器とその応用」 (第28回)で岩崎信博士がナノ銀による放射線低減効果について発表された際に、最近の物理学の教科書に常温での核変換を示唆するような記述があったと紹介されていました。

内容を全く理解できない専門書だったので、該当部分だけ図書館でコピーしてきました。以下、岩崎信博士が言及されていた部分の引用です。注目すべき部分は、「近年実験が行われている物質中(ホスト金属中など)で起こる場合は、クーロンポテンシャルは、点電荷同士のクーロンポテンシャル<式>からずれ、トンネル効果が起こりやすくなる。」との文章です。金属中では、クーロン障壁をくぐり抜けられる状態が出現することを理論的に裏付けているように思いました(全く自信なし)。

http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-13778-1/

現代物理学[基礎シリーズ] 8 原子核物理学
A5/256ページ/2013年04月25日
ISBN978-4-254-13778-1 C3342 定価3,990円(税込)
滝川昇 著

P27〜
[余談4]遮蔽効果への応用
1.4節で太陽中の核反応に関して学んだように、中性子を入射粒子あるいは標的とする反応を除けば、極低エネルギーの核反応は、長距離のクーロン力がつくるポテンシャル障壁(クーロン障壁)を透過する量子トンネル効果で起こる。核反応が、元素誕生に係る天体中あるいは近年実験が行われている物質中(ホスト金属中など)で起こる場合は、クーロンポテンシャルは、点電荷同士のクーロンポテンシャル<式>からずれ、トンネル効果が起こりやすくなる。これは、標的核や入射核によって、天体中ではプラズマ状態にある荷電粒子の密度分布が、また、物質中では例えば金属中の自由電子の密度分布が変化することによって、クーロンポテンシャルが遮蔽されるためである。

注:<式>の所には、元の文書では数式が書かれています。

以上

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