2012年6月18日月曜日

認知拡大への転機となるか、ICCF-17


来る8月12日から一週間、常温核融合国際学会第17回大会(ICCF-17)が韓国の大田(テジョン)コンベンションセンターで開かれます。

ICCFが韓国で開かれるのはこれが初めてです。韓国にはこれまで著名な常温核融合研究者はいなかったと思われるのですが、前回のICCF-16に6名の参加者を送り込み、国家プロジェクトを実施する予定だと述べ、次の開催地として立候補したと伝えられています。
この件については、以下の2つの記事で触れました。

韓国がICCF-17の開催に意欲

この経緯を見ると、主催の中心であるKAISTのSunwon Park博士らは相当力を入れてくると予想できます。最近、公開が進んでいるプログラムを見ると、これを裏付けるような3つの特長に気が付きます。

1.注目されている実験のプレゼンを初日に配置
初日の月曜日の午前中から、Piantelli博士(ニッケル・水素系の実験で著名。Nickenegy社を設立)、デフカリオン社、Brillouin Energy社のプレゼンが並び、午後一番にはHagelstein博士(NANORという装置で実験継続中)のプレゼンが続きます。

2.多数の常温核融合研究者の招待講演
常温核融合の分野で著名な研究者17名の招待講演があります。研究を推進してきた頭脳が一同に会する事になります。日本からは、水野忠彦博士と高橋亮人博士が招待されています。

3.最終日に商用化のセッション
驚いた事に最終日には、商用化に関するプレゼンとパネルディスカッションがスケジュールされています。いったい、誰がどういうプレゼンを行うのか、誰がパネラーとして登場するのか、今から興味津々です。

ちなみに、昨年2月にインドで行われたICCF-16のプログラム(下図)は今回に比べて学術的な色彩が濃いものでした。いや、今までは、この分野ではそれが当然だったのです。韓国政府が国家プロジェクトとして推進する意志を表明し、大手メディアが大きくそれを報道する事態となれば、常温核融合に対する認知は大きく変わるかもしれません。果たして転機となるかどうか、素人から見ても目の離せない大会となりそうです。

以上


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